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私のがん体験談PART.4 入院準備のヒントから乳房再建までを語る-「こほこ」さん-

2022.12.23

私のがん体験談PART.4 入院準備のヒントから乳房再建までを語る-「こほこ」さん-サムネイル画像

「誰かの役に立ちたい」という思いから、SNSを通してがんの体験談や闘病記を発信する方が増えています。こうした発信を通じて、生活の変化や日々の率直な思いをリアルタイムで知り、そこから交流が生まれ、闘病生活の心の支えを得ている人も少なくないのではないでしょうか?闘病記の発信の仕方は人それぞれですが、このシリーズでは、イラストでご自身の体験を綴っているインスタグラマーに着目してご紹介していきます。今回は、入院準備や病気と付き合いながら楽しく生活するヒントを綴っていらっしゃる、こほこさんにお話を伺いました。

こほこさんイラスト

Instagramはこちら
・がんの種類:乳がん
・投稿開始日:2021年4月30日
・フォロワー数:1,507人(2022年12月23日現在)
・投稿数:136件(2022年12月23日現在)

2021年、乳がんに罹患。入院準備や右乳房全摘手術や同時再建、乳頭再建などについて、かわいいうさぎのイラストを使いながら投稿を続けている。

―闘病記を描き始めたきっかけは?

コロナ禍での2週間の入院ということで家族のお見舞いも不可だったので、一人時間がたっぷりありそうだと思いました。そこでiPadを病室に持ち込んで、自分で見返すために絵日記を描き始めました。内容としては、入院中の過ごし方や全身麻酔での手術、そして再建した右胸やドナーにした左太腿の回復具合などです。そんなある日、形成外科の医師に「イラストならわかりやすいから、どこかに出したら誰かのためになったり医療の発展につながったりすることもあるよ」と言われて、その言葉が頭の片隅に残っていました。

手術から1か月が経ち、わりと普通に歩けるようになった頃、身体の状態にも慣れてきたし、新しいお絵描きソフトもほぼマスターできたので、SNSへの投稿をスタートすることにしました。SNSでは、乳がんが見つかった頃からさかのぼってイラストを投稿してみることにしました。それがInstagramでの人生初の投稿だったので、Instagramの機能やお作法はさっぱりわからなかったのですが「まぁええか」と気ままに始めました。

−SNSでの発信を続けてよかったことは?

自分で発信を始めるまで、乳がんのことについてSNSやインターネットで検索することはほとんどなかったので、最初は同じ病気の方とつながれたことが何よりうれしかったです。私が行った太腿の一部(皮膚や脂肪、血管、神経)を胸に移植する再建手術は症例が少ないそうですが、医師を巻き込んでSNSで情報を発信している方ともつながることができ、その方にはいろいろ教えてもらっていたので、とても頼りになる存在となりました。また、治療をしながら生活をしたり、社会に復帰している方の投稿を見て、自分の未来を前向きに捉えることができて心強く感じられるようになりました。ホルモン療法という治療法では、同じようなつらさを感じている方が多く、人生の向き合い方を皆さんの投稿やコメントから学ばせてもらっています。

ーSNSでの発信を続ける思いを教えてください

私は病気と闘うというより、「こんなことがあったよ」「こんなことしてみたよ」という感覚で自分の経験を描いていますが、投稿を続けるうちに「告知されたばかりです」「検査から手術までの過程が自分のケースと似ているので、予習ができました」「勇気をもらっています」「イラストに癒されてます」というようなメッセージをいただくことが増えていきました。新しいアカウントの方を見るたび、あの日の自分と同じようなギュッとした気持ちになっている人が今日もたくさんいるんだなと気づきます。私も段階を踏みながら病気を受け入れられるようになりましたが、私の投稿を通して、皆さんの不安な気持ちが少しずつ穏やかになったらいいな、お互い支え合っていけたらいいな、そして、なんとかなる!大丈夫だよ!と伝えられたらよいなと思って発信を続けてます。

−今後の目標があれば、教えてください

状況は人それぞれですが、がんになっても人生は続きます。病気になる前は、がんという病気はデリケートで扱いづらいものだし、自分には遠い存在のように感じていました。でも今は、「誰でも自分の身に起こりうることであり、日常の暮らしの中で長く付き合っていくもの」だと思うようになりました。だから今は、病気になっていない人も「病気になったときに、どう日常を過ごしていくといいのか」といった知識をもつことの大切さを痛感しています。

私のSNSの投稿は、医療系の冊子や闘病記とは違う、病気をするとこんなことがあるんだな、こうやって治療して日々過ごしていけるんだなとわかるような、日常生活を送る上でのヒントとして見てもらえたらうれしく思っています。三日坊主気質な私が一年以上も投稿を続けられたのは、フォロワーさんがさまざまなコメントをくださったおかげで、それが私のモチベーションになっています。ボチボチ投稿を続けながら、誰もが病気や社会としなやかにつながれる世界づくりに少しでも貢献できたらうれしいですね。

編集部イチオシ投稿をご紹介!

No.1 しばらく行けないかもだし思うぞんぶん堪能!

https://www.instagram.com/p/COeLIsHjvR8/?utm_source=ig_web_copy_link

こほこさんインスタグラム投稿画像

乳がんの検査結果が出る前の不安な時期だったものの、「いろいろ考えても状況は変わらない!」と考えて、趣味の温泉や銭湯を存分に堪能したという、こほこさん。この前向きさ、ぜひ見習いたいものですね。

No.2 職場へ報告

https://www.instagram.com/p/COq0vjzFMbp/?utm_source=ig_web_copy_link

こほこさんインスタグラム投稿画像

手術日が決まり、上司への報告を行おうとしたこほこさんは、普通に話すつもりが、大緊張…。初めて人に話したときに、自分がまだ動揺していることや病気を受け止められていないことに気づいたそうです。

No.3 入院前にやったこと

https://www.instagram.com/p/CO83puJlvIt/?utm_source=ig_web_copy_link

こほこさんインスタグラム投稿画像

入院まであと3週間。入院・治療してから虫歯が見つかったら困ると考え、かかりつけの歯科医を受診。また、手術後はしばらく右腕が上げられなくなることを考慮して、美容院でまとめやすいヘアスタイルに変更。入院前の準備について考えるきっかけになる投稿です。

No.4 入院便利GOODS

https://www.instagram.com/p/CPJt3xel-Jx/?utm_source=ig_web_copy_link

こほこさんインスタグラム投稿画像

長期間の入院中、快適に過ごせるグッズがかわいいイラストで紹介されています。時間があるからこその癒しグッズや美顔器や、のど飴、クッションなど「あってよかった」ものという観点でもコメントが投稿されています。

こほこさん書下ろし応援イラスト

※がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

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