子宮がんとは?症状や原因・罹患数・死亡数から再発リスクまで解説

2022.04.27

子宮がんは、子宮頸部、子宮体部に発生するがんの総称です。乳がんと同様に、主に女性が注意すべきがんのため、症状をはじめとする基本情報を知っておいた方がよいでしょう。ここでは、子宮がんの症状や原因、罹患率、病期(ステージ)などについて詳しくご紹介します。

子宮がんとは

子宮は、西洋梨を逆さにしたような形状であり、上部のふくらみがある部分を「体部」、下の細くなっている部分を「頸部」といいます。

子宮がんは、子宮体部にできる「子宮体がん」と、子宮頸部にできる「子宮頸がん」に分類されます。

子宮体がんのほとんどは、子宮の内側にある子宮内膜から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれています。主な自覚症状は不正出血です。子宮頸がんと比べて比較的高齢の人にみられるため、更年期や閉経後に不正出血があったときは、より一層の注意が必要です。

ただし、がんによる不正出血とそれ以外の原因による不正出血を見分ける方法はありません。

子宮頸がんは、頸部の細胞が異常に変化し、異形成という病変となります。多くは正常な状態に戻りますが、一部はがんに変化する可能性があります。子宮体がんと同じく、不正出血が主な症状です。

なお、子宮体がんは40代後半から増え初めて50~60歳代にピークを迎えます。また、子宮頸がんは、20代後半から増え始め40代でピークを迎えるなど、いずれも比較的若い世代に発症するがんです。

子宮がんのリスク要因

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)がリスク要因とされています。HPVは性交渉によって、ほとんどの方が生涯一度は感染しますが、その大部分は免疫によって自然排出されます。しかし、HPVが排除されず感染が続くと、一部に子宮頸がんが発生すると考えられています。また、喫煙者も発生リスクが高まるとされています。

初めての性交渉前に、HPVワクチンを接種することでその発生を抑えることが可能です。ただし、ワクチン接種を受けたとしても100%発生を予防できるわけではないため、定期的な検診は必要です。

一方で、子宮体がんの発生には、子宮内膜を厚くする女性ホルモンのエストロゲンが深く関係しているといわれています。

正常に排卵している人は、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌されており、一定の周期で子宮内膜が厚くなるのと剥離(月経)するのを繰り返しています。

しかし、排卵していない人、閉経後の人は、プロゲステロンが分泌されていないため、エストロゲンが過剰な状態となります。その結果、子宮内膜が厚くなり続け、がんの発生に関与するのではないかと考えられているのです。

子宮がんの罹患数と死亡数

子宮頸がんの罹患数と死亡数は、次のように推移しています。

出典元:がん情報サービス「子宮頸部

罹患数は1980年から2000年にかけて減少傾向にありますが、その後は増加に転じています。

続いて、子宮体がんの罹患数と死亡数を見ていきましょう。

出典元:がん情報サービス「子宮体部

子宮体がんの罹患数は増加傾向にあります。特に、2000年以降は急激に増加しています。この背景には、高脂肪・高たんぱくの欧米型の食生活へ変化したことが考えられます。エストロゲンは、脂肪に溶けることで脂肪細胞の中にため込まれます。その結果、エストロゲン過多の状態が続き、子宮体がんのリスクが高まるとの説が有力です。

子宮がんの再発リスク

子宮頸がんの再発リスクは、がんの大きさや浸潤、転移の有無などで低リスク、中リスク、高リスクに分類されています。

‘低リスク群:

以下のすべての項目を満たすもの

① 小さな頸部腫瘤

② 骨盤リンパ節転移陰性

③ 子宮傍結合織浸潤陰性

④ 浅い頸部間質浸潤

⑤ 脈管侵襲陰性

中リスク群:

骨盤リンパ節転移陰性および子宮傍結合織浸潤陰性で,以下のいずれかの

項目を満たすもの

① 大きな頸部腫瘤

② 深い頸部間質浸潤

③ 脈管侵襲陽性

高リスク群:

以下のいずれかの項目を満たすもの

① 骨盤リンパ節転移陽性

② 子宮傍結合織浸潤陽性’

引用元:日本癌治療学会「がん診療ガイドライン

続いて、子宮体がんの再発リスクについて見ていきましょう。

出典元:がん情報サービス「子宮体がん(子宮内膜がん)治療

子宮体がんは、手術時に採取した細胞を詳しく調べ、悪性度や組織型などに応じて低リスク、中リスク、高リスクのいずれかのグループに分類します。分類に用いる情報は、子宮の筋肉層や血管、リンパ管、子宮頸部、子宮の周囲へのがんの広がりなどさまざまです。

まとめ

子宮のがんは、乳がん同様に比較的若い年齢から発症リスクが高いため(特に子宮頸がん)、経済的な備えが十分でない時期に罹患してしまうケースも少なくありません。 また、一度がんになってしまうと、たとえステージが低くても民間保険への加入条件が厳しくなってしまい、再発への備えをとして入れる保険商品はとても限られてしまいます。 「まさか自分が…」と、ならないように定期検診を欠かさないようにしましょう。

■医療監修

西 智弘 医師/2005年北海道大学卒。
室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。
その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修し、2012年から川崎市立井田病院にて腫瘍内科・緩和ケアに従事。また2017年に一般社団法人プラスケアを立ち上げ、暮らしの保健室や社会的処方研究所の運営に携わっている。
日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医。

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