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プロが教えます!治療中の肌の赤みやくすみ悩みを解消する、ささっとお出かけメイク術

2023.03.26

プロが教えます!治療中の肌の赤みやくすみ悩みを解消する、ささっとお出かけメイク術

抗がん剤治療中も、日常的な買い物や通院など、お出かけする機会は意外と多いものですが、肌のくすみや乾燥が気になってメイクに時間がかかり、外出が億劫になってしまう方は少なくないのでは?

すっぴんででかけるのも気が進まない…という方もいるでしょう。そこで今回は、テレビや雑誌などで活躍するメイクアップアーティスト・合田和人さんに抗がん剤治療中のお悩みをカバーできる、“肌悩みを解消する基本のメイク術”を教えていただきます。

モデルは、実際にAYA世代の乳がん経験者であるEMIさん。ご自身のお悩みや経験談を交えた質問を、合田さんがすっきり解決へ導きます。ぜひ、日々の参考にしてみてくださいね!

EMIさん

モデル:EMIさん

2021年8月に右胸のしこりに気づき、34歳で乳がんに罹患。抗がん剤、手術、放射線と約1年間治療しながらInstagram (@breast_cancer_emi34)を中心に治療のリアル、かかった費用などを発信。現在は、復職し働きながらも「人生楽しんだ者勝ち!」をモットーに日々過ごしている。

メイクアップアーティスト合田さん

メイクアップアーティスト:合田和人さん

中条あやみさんや山本美月さんなど、著名人をはじめ、ファッション誌やテレビ、CMなど、多方面で活躍するメイクアップアーティスト。美容家として幅広く活動しながら、フォトグラファーや人物のプロデュースなどにおいても多才さを発揮している。

EMIさん:プロの方にメイクを教えていただけるなんてすごく嬉しいです。

合田さん:こちらこそ、がん治療を頑張る方にメイクで応援できるなんて光栄です。早速ですが、EMIさんはメイクでお困りごとはありますか?

EMIさん:個人的に感じるのは、抗がん剤治療をはじめてから、肌の質感が変わったのかな…と。なので、ご近所などにちょっと出かけたいとき、くすみや乾燥が気になってメイクに時間がかかるんです。ささっと簡単にメイクが済ませられたらいいなぁって。

合田さん:簡単にメイクできないと、出かけるのが面倒になっちゃいますよね。今回は、そんなお悩みを解決できる、簡単でステキに見える方法をお伝えしますね。

がん治療中のご近所にお出かけ ささっと簡単メイクのポイント

がんの治療中も、買い物や通院、ときには気分転換を兼ねたお出かけなど、メイクする機会は多いですよね。肌のくすみや乾燥、脱毛など、メイクに時間をかけずに隠したいところはきちんとカバーできたら…。そんなご要望に応える基本のメイク術です。

 メイク前のスキンケアからくすみ等を隠せるベースメイク、マスク着用で意外に目立つ目の周りのメイクまで、簡単だけどトレンドも踏まえたメイクを分かりやすく解説。

 抗がん剤治療中に多い髪の悩みには、ウィッグという選択肢も。なんとなく難しそうに感じるウィッグと、どう付き合えばいいかも教えていただきました!

STEP1:デリケートな肌こそ正しいスキンケアで潤いを!

「普段からとても肌が乾燥しがちなのが悩み」というEMIさん。正しい化粧水の付け方や、乾燥させないために意識したいスキンケアのポイントとは?

\合田さん流!/簡単スキンケアHOW TO

◎スキンケアの基本は水分と油分、この2つ

化粧水を掌で温めてから顔に乗せます。ゆっくりと軽く抑えるようにして肌に浸透させましょう。
  1. 化粧水を掌で温めてから顔に乗せます。そうすると肌なじみが良くなります。
  2. ゆっくりと軽く抑えるようにして肌に浸透させましょう。
  3. 特に乾燥がひどいときは、皮膚の表面がかさぶたのようになっていることもあるので、肌をこするように化粧水をつけると皮膚を傷めてしまうので注意!
  4. 化粧水の後には、ご自分の肌に合うクリームで潤いを閉じ込めましょう。

STEP 2:ベースメイクで悩みを隠して血色のよい明るい肌に

「健康な肌の方も含め、ファンデーションやコンシーラーを使う順番や色の選び方は意外とご存じありません」と合田さん。

今回は、基本のベースメイクはコンシーラーとクッションファンデーションの2種のみ。簡単だけど、くすみなどが気にならない肌作りを目指します。しかも、ベースメイクからアイメイクまでほとんどが指先だけでできるので、特別な道具も必要ありません!

EMIさん:乾燥などで頬の高い位置に赤みが出るのが気になるんですけど、それをうまく隠せなくて。どうしたらうまくカバーできますか?

合田さん:最初にコンシーラーで気になるところをカバーしてから、クッションファンデーションを使うと、薄づきだけど気になる部分をうまくカバーできますよ。クッションファンデには下地や日焼け止め、美容液などが含まれているので簡単メイクの強い味方ですよね。

EMIさん:なるほど~。コンシーラーから先に付けるのは発見です。今まで、リキッドファンデーションとパウダーファンデーション、コンシーラーという順番だったので、手間もかかるし厚塗りになるのが気になっていたんです。

合田さん:もう1つのポイントは、地肌の色より少しファンデの色は濃いものを選ぶこと。つい、地肌より明るい色を選びたくなりますが、それではシミやくすみを隠せないため、結局、厚塗りになってしまうんです。

\合田さん流!/簡単ベースメイクHOW TO

日本人はイエローベースの肌の人が多いので、赤みや黒ずみ、くすみはオレンジ系のコンシーラーを使うと簡単にカバーができます。

コンシーラーを付けなかった部分に、クッションファンデーションを優しく乗せます。

  1. 日本人はイエローベースの肌の人が多いので、赤みや黒ずみ、くすみはオレンジ系のコンシーラーを使うと簡単にカバーができます。
  2. コンシーラーを付けなかった部分に、クッションファンデーションを優しく乗せます。
クッションファンデーションはパフ全体に取らず、半分くらいまでに留めると厚塗りを防げます。

目のきわやまぶた、まつ毛の生え際などの目の周りを丁寧に。くすみが出やすい部分のため、きちんとカバーすることで視覚効果によるリフトアップ効果が期待できます。

シミやくすみを細かく気にするあまり、あれもこれも…と色を乗せると結果的に厚ぼったくなってしまうので気を付けて。
  1. クッションファンデーションはパフ全体に取らず、半分くらいまでに留めると厚塗りを防げます。
  2. 目のきわやまぶた、まつ毛の生え際などの目の周りを丁寧に。くすみが出やすい部分のため、きちんとカバーすることで視覚効果によるリフトアップ効果が期待できます。
  3. シミやくすみを細かく気にするあまり、あれもこれも…と色を乗せると結果的に厚ぼったくなってしまうので気を付けて。
ベースメイクをする前、メイクした後の比較

STEP 3:くすみはもう気にならない!? ナチュラルなアイメイクのコツ

まゆが抜けてしまってどこから描いていいか分からない、汗をかくとせっかく描いたまゆが消えてしまう…まゆやアイライン、アイシャドウなど、目の周りのメイクに難しさを感じる人も多いのでは?崩れにくく、簡単でトレンド感もあるアイメイクのポイントは“描き過ぎない”ことです。

EMIさん:肌色が今までと見違えました! 実は、メイクが途中で崩れてくるのが気になったり、そもそもアイシャドウの色がうまく乗らなかったり…と、アイメイクがいちばん手間がかかるなと思っているんです。

合田さん:まぶたのメイクは、アイシャドウで色を足すのではなく肌の色むらを取り除き、血色を良く見せることが大事なんです。

EMIさん:まゆの描き方も難しいなと思っていて。

合田さん:かわいく見せる簡単メイクなので、アイラインは要らないと思いますよ。

\合田さん流!/簡単まゆメイクのHOW TO

メイクが取れやすい人は、アイメイクの前にルースパウダーを取れやすいところに薄く乗せるといいでしょう。ブラシを使うと簡単で薄付きになります。

  1. メイクが取れやすい人は、アイメイクの前にルースパウダーを取れやすいところに薄く乗せるといいでしょう。ブラシを使うと簡単で薄付きになります。
  2. ルースパウダーは皮脂やクッションファンデーションに含まれる油分などを吸着してくれるので、お出かけしていてもメイクが崩れにくくなる効果も。
アイブロウは、パウダータイプがおすすめ。色は、黒やダークブラウンだと濃すぎて重たい印象になりがちなので、明るめの色を選びましょう。

描く順番はまゆの中心から!まゆの毛並みに合わせて描いていきます。

まゆ頭は余ったパウダーで軽く描く程度でOK。まゆ頭がくっきり濃く描かれているときつい印象に見えてしまいます。 

もう少し描き足りない方は、細めのペンシルでランダムに毛を書くように書くと、とても自然でナチュラルな仕上がりますよ。

  1. アイブロウは、パウダータイプがおすすめ。色は、黒やダークブラウンだと濃すぎて重たい印象になりがちなので、明るめの色を選びましょう。
  2. 描く順番はまゆの中心から!まゆの毛並みに合わせて描いていきます。
  3. まゆ頭は余ったパウダーで軽く描く程度でOK。まゆ頭がくっきり濃く描かれているときつい印象に見えてしまいます。
  4. もう少し描き足りない方は、細めのペンシルでランダムに毛を書くように書くと、とても自然でナチュラルな仕上がりますよ。

\合田さん流!/アイシャドウのHOW TO

アイシャドウは、まぶたの広範囲につけすぎないように気を付けて。目を開いたときに少し見える程度が品よく、かわいい印象になります。

  1. アイシャドウは、もともとの健康的なまぶたの色に戻す色を選びましょう。色を足すのではなく、コンシーラーでくすみを消した分をアイシャドウの色で補正するイメージで。アイシャドウはオレンジやピンク、オレンジなどを選びます。健康的で肌のくすみを補正してくれ、華やかな目元になります。
  2. まぶたの広範囲につけすぎないように気を付けて。目を開いたときに少し見える程度が品よく、かわいい印象になります。
  3. 涙袋は目元を大きくかわいい印象にしてくれますが、ハイライトや明るい色で、目の下のぷっくり感を出す方が、自然で明るい印象になります。前述のベースメイクをしていれば、目の下にハイライト効果が出ているので、それを生かせばさらにリフトアップ効果を期待できます。

STEP 4:チークで血色のいい明るい表情になる!

マスクを着用する場合、チークをどう乗せればいいか迷う人も多いのでは? どんなときにチークが必要か、どこに、どう乗せればいいか、どんな色を選ぶのが正解かなどを教えていただきました。

EMIさん:マスクをして出かけることも多いので、チークをどうすればいいかも迷います。チークは入れたほうがいいですか?

合田さん:今日のEMIさんは、肌の調子がよく素肌も明るい感じですよね。血色よく見せるのがチークの役割なので、調子がいいときは無理にチークを乗せなくてもいいと思いますよ。

EMIさん:チークを入れる場合に気を付けるべきことは?

合田さん:マスクをするかどうかで違ってくるので、そのあたりのコツを押さえてみてください。

\合田さん流!/マスク着用時のチークの乗せ方HOW TO

  1. マスク着用時は、普段チークを乗せる位置よりも高い場所に乗せるのがポイント。マスクから出ている頬骨の高い位置から、目の下の涙袋くらいまでをメージで。コンシーラー同様、色はオレンジ系を選ぶと失敗が少ない。
  2. ベースメイクで赤みを消したところに、ピンクやローズ系を乗せると、赤みが復活してしまうので注意しましょう。

ウィッグでおしゃれを。もっと自分らしく!

治療などの影響で脱毛に悩まれる方の中には、ウィッグを使ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。手に取りやすい1~2万円台のウィッグとの付き合い方を伝授していただきました。

EMIさん:抗がん剤治療で、脱毛がひどかった時は、帽子のほかにウィッグをつけていました。おしゃれを楽しみたいから療養中にウィッグを使いたい人は、少なくないんじゃないかなと思うんです。

合田さん:オーダーメイドなどのウィッグは自然に見える一方で、とても高価。入手しやすい価格帯のウィッグの正しいつけ方と、気軽におしゃれを楽しむためのカスタマイズ法もお教えします!

\合田さん流!/ナチュラルなウィッグのつけ方HOW TO

ウィッグネットを使用することでしっかり被ることができます。

<ウィッグの正しい付け方>

  1. ウィッグネットは、一度頭から首まですっぽりかぶり、ヘアバンドの要領でネットを持ち上げるようにしてつけます。
  2. ネットの余った部分は小さくまとめて、ヘアピンで留めましょう。このひと手間で、フィット感に差が出ます。
コームで髪の根元あたりに逆毛を立てるのもおススメです。ランダムに逆毛を立てると髪に動きを出て、よりナチュラルに見えます。

<ウィッグを少しカスタマイズしてみる>

  1. ウィッグをそのままつけると、整い過ぎていて“コスプレ感”が出てしまうため、自分の服装や顔立ちに合わせてカスタマイズしましょう。
  2. 直線的すぎる前髪やトップを少しカットし、髪に自然な動きが生まれるようにするといいでしょう。
  3. コームで髪の根元あたりに逆毛を立てるのもおススメです。ランダムに逆毛を立てると髪に動きを出て、よりナチュラルに見えます。

メイクで悩みをカバーして気持ち前向きに

メイクで悩みをカバーして気持ち前向きに

人気のナチュラル系メイクの要素を取り入れながら、シミやくすみなどの治療中に抱える肌の悩みをカバーできる“ささっとお出かけメイク術”はいかがでしたか。

メイク前は「メイクに時間がかかると、毎日これをやるのかと気が重くなる」とこぼしていたEMIさんが、簡単メイク術を知って、みるみる表情が明るくなりました。

治療などを頑張っている時だからこそ、健やかで明るく見えるメイクは心の支えにもなりますね。“私らしさ”を取り戻すことで、社会復帰に向けてより前向きになれるのではないでしょうか。 肌や身体の調子と相談しながら、今の自分を輝かせる簡単メイクで、出かけてみてはいかがですか。

With Miウィズミーについて

がんに直面しても、自分らしく生きる女性のための情報を発信します。
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体験談や知りたい情報を発信し、がんを経験した女性を応援します。