乳がんヨガインストラクター考案の特別プログラムで術前の悩みを軽減

2022.10.06

乳がんヨガインストラクター平沼穂香(ひらぬま・ほのか)さん

With Miでは、がんを経験した女性が毎日をご自身らしく過ごしていただけるようWith Miオリジナル「乳がんヨガ」プログラム動画を作成いたしました。3つのプログラムを順次ご紹介していきますが、初回となるこのプログラムは、乳がんの術前に特にお薦めの内容です。身体は比較的動かせるものの、浮腫(ふしゅ=むくみ)に悩まされている方に適したプログラムとなっています。本プログラムを開発したのは、早稲田大学スポーツ科学部スポーツ医科学科で人体について専門的に学び、「女性がんリハビリサロン-BLUE ORGANIC SPACE-」を主宰する平沼穂香さんです。ご自身の体調や気持ちに合わせて、心地よく行える範囲でヨガをおこない、むくみを改善させてみてはいかがでしょうか。

ヨガについて

 ヨガと聞くと、「身体が固いと難しそう」「わたしにはハードルが高い」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。ですが、実際はそんなことはありません。ヨガは、スポーツやフィットネスとは違い、誰かと比べる必要はまったくありません。ヨガの語源はサンスクリット語「ユジュ」で、「つなぐ」という意味があります。ヨガを行うことで、ご自身の心と体を結び付けたり、ご自身と外側の世界を上手につなぐことでバランスを保つ意味があると言われています。

 ヨガで大切なことは、ゆったりした呼吸を続けることです。深い呼吸は、自律神経に働きかけリラックス効果が得られることは科学的にも証明されています。ポーズは日々の緊張からご自身を解き放てる範囲で、心地よさを優先して行いましょう。

プログラムに入る前の注意事項

ヨガをする女性

ヨガを行う前に、以下のことをチェックしてから行うと、より快適に身体と心を整えることができるでしょう。

・いまの体調はいかがですか? 心身が「疲れているな」と感じるときは無理をしないようにしましょう。

・食事をした直後はできるだけ避けましょう(食後2時間ほど空けるとよいと言われています)。

・動きやすい服装ですか? 近くに汗を拭くタオルや水分補給のドリンクも用意しておきたいですね。

・動画の動きにむりに合わせず、ご自分が動いて「心地いいな」と感じる範囲で行いましょう。途中でしんどいな、疲れたなと感じたらお休みを取りましょう。

・用意ができる方は、ヨガマットやヨガブロック、ストラップなどを準備しておきましょう。お手元にない場合は、大きめのバスタオルやブランケット、クッションなど、お手近にあるものを利用して快適にヨガを行いましょう。

プログラムについて

では、いよいよポーズを取っていきましょう。こちらの動画は、乳がん手術前の方や体の可動域が失われていない方に向けたプログラムですが、術後の方にも取り組んでいただける内容となっています。自律神経の調節や全身浮腫への働きかけに効果的です。動画内でヨガのポーズについて説明しておりますので、ぜひご覧ください。ポーズの回数や呼吸の回数はあくまで目安です。無理のない範囲で動画に合わせて取り組んでみましょう。ヨガの呼吸は、鼻から吸って鼻から吐き出すのが基本です。ただ、息苦しく感じる場合は、息を吐くときに口から吐き出してみましょう。

プログラムを終えて

いかがでしたでしょうか?術前はもちろん、術後の抗がん剤治療による全身浮腫にもおすすめの内容になっています。朝や夜など、ご自身のタイミングの良いときに習慣化できると、身体や心の状態の違いが感じられるのでお薦めです。ですが、頑張りすぎないこともとても大切です。やり始めたときは調子が良くても、途中でつらくなったら、その日はお休みのポーズを取るなどしてポーズから離れましょう。

「いま、私の身体は何を求めているのかな?」と、ご自身に問いかけ、必要なものを選びながらヨガを行ってくださいね。ヨガを日々の暮らしに取り入れる毎日を選ぶことで、より快適な生活へお役立てたいただけましたら幸いです。

乳がんヨガインストラクター・平沼穂香(ひらぬま・ほのか)さんプロフィール

乳がんヨガインストラクター平沼穂香(ひらぬま・ほのか)さん

早稲田大学スポーツ科学部スポーツ医科学科で、医学的見地でスポーツを学ぶ。卒業後には、国家資格である鍼灸師・按摩マッサージ指圧師の資格も取得し、運動療法の臨床経験を積む。その過程で、女性がん経験者やリンパ浮腫に悩む方々へ安心安全な運動の機会を提供したいと考えるようになる。

2021年、その想いと豊富な知識、長年の経験を生かした「女性がんリハビリサロン-BLUE ORGANIC SPACE-」を開室。リハビリヨガやシニアヨガのクラスを中心にパーソナルセッションなどを提供。また、一般社団法人BCY Institute Japanの卒業生として、がん治療による、女性特有の心身の悩みから生じる心身のバランスの崩れに寄り添い、ご自身を取り戻すための空間作りに専心。多くの信頼と共感を集めている。

一般社団法人BCY Institute Japan:「乳がんになってもヨガがしたい」という声に応えて、全国に乳がん経験者向けのヨガ教室を広めるため、乳がんヨガ講師の養成を行っている。(全国乳がんヨガ指導者一覧はこちらですhttps://breastcancer-yoga.org/class)(BCYWEBサイト https://breastcancer-yoga.org/

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