乳がん術後の回復をサポートする特別なヨガプログラム

2022.10.28

乳がんヨガインストラクター平沼穂香(ひらぬま・ほのか)さん

With Miでは、がん を経験した女性が毎日をご自分らしく過ごしていただけるようWith Miオリジナル「乳がんヨガ」プログラム動画を作成いたしました。第2回は、術後2週間を過ぎた方へ特にお薦めの内容です。本プログラムを開発したのは、早稲田大学スポーツ科学部スポーツ医科学科で人体について専門的に学び、「女性がんリハビリサロン-BLUE ORGANIC SPACE-」を主宰する平沼穂香さんです。動画前半は、主に手術から2~3週間を経過した方で手術後の体力回復期に行うと良いポーズを。また、動画の後半では、手術後1か月以上経過し、社会復帰に向けた方に適したポーズが中心となっています。ご自分の体調などに合わせて、取り組みやすいポーズから行ってみてはいかがですか。

ヨガについて

近年、ダイエットやメンタルヘルス、マインドフルネスなどへの効果が期待できると、欧米諸国を中心に世界中でヨガを愛好する人が増えています。ヨガの歴史は古く、約4500年前にまでさかのぼると言われています。そうして長い歳月を経てなお、世界中で親しまれているヨガは、歴史的・文化的価値の高さが評価され、2016年にユネスコの無形文化遺産にも登録されました。ヨガは競技やレッスンとは違い、誰かとご自分を比べたり、見た目の完璧を求める必要がないことも、現代社会においては魅力と捉えられているようです。ヨガでもっとも大切なことは、難しいポーズを無理に頑張ることではなく、ゆったりとした呼吸を続けることです。ご自分の心地よさを大切にし、「いま、ヨガを行っている」ことに集中していくと、自然に心身がリフレッシュされると感じる人が多いようです。

プログラムに入る前の注意事項

ヨガをする女性

今回は、手術を受けた身体を動かすプログラムになりますから、いつも以上に“頑張りすぎない”ことを意識しましょう。まずは、ヨガ行う前に以下をチェックしましょう。

・いまの体調はいかがですか? 痛みや気がかりなことなどはありませんか?

・動きやすい服装ですか 。汗をぬぐうタオルや、水分補給のドリンクも近くにご用意ください。

・ヨガを行うときは、空腹が良いとされています。食事から2時間程度空けてから行うと良い でしょう。ヨガを始めたときは調子が良くても、途中で苦しいな、つらいなと感じたら、お休みのポーズを取ったり、それ以上は行わない選択をしましょう。

本プログラムでは、身体の動きをサポートするために、クッションや椅子、机などを使っていきます。クッションが用意できない場合は、毛布やブランケット、バスタオルなどを折りたたんで使ってみるのもいいですね。大切な身体を預ける椅子や机は、キャスター等のない安定したものをご使用ください。

プログラムについて

では、動画に合わせてポーズを取っていきましょう。動画中、インストラクターが提案するポーズや呼吸の回数などは、あくまでも目安になります。決して無理をせず、心地良いと感じられる範囲で行いましょう。ヨガの呼吸は、基本的に鼻から吸い鼻から吐く鼻呼吸です。ただ、息苦しさを感じる方は、鼻から吸い口から吐く、ため息をつくなどして、ご自分が呼吸しやすい方法を探りながら行うといいでしょう。呼吸が浅くなると、ポーズの効果が薄くなるとも言われています。呼吸が浅くなったり、呼吸がしにくいと感じたら、楽に呼吸できるようにポーズを緩めてみましょう。

プログラムを終えて

術後の回復をサポートするヨガは、いかがでしたか?行う前といまの心身の変化を繊細に受け止め、違いや余韻を味わってみてください。そして、ヨガを行おうと思った前向きなご自分の心を褒め、ヨガを行った身体に感謝をしましょう。本プログラムは、気軽にご自宅で行える内容ですので、術後のリハビリとしてもご活用ください。また、継続することで、心身への良い変化を実感しやすくなります。ご自分の回復レベルに合わせながら、できるポーズから日々の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。ただし、決して無理はしないようにしてくださいね。ヨガのある日常を自ら選ぶことで、手術で頑張ったご自分の心身の安定や、より心地よさを感じられる毎日にお役に立てていただけたら幸いです。

乳がんヨガインストラクター・平沼穂香(ひらぬま・ほのか)さんプロフィール

乳がんヨガインストラクター平沼穂香(ひらぬま・ほのか)さん

早稲田大学スポーツ科学部スポーツ医科学科で、医学的見地でスポーツを学ぶ。卒業後には、国家資格である鍼灸師・按摩マッサージ指圧師の資格も取得し、運動療法の臨床経験を積む。その過程で、女性がん経験者やリンパ浮腫に悩む方々へ安心安全な運動の機会を提供したいと考えるようになる。

2021年、その想いと豊富な知識、長年の経験を生かした「女性がんリハビリサロン-BLUE ORGANIC SPACE-」を開室。リハビリヨガやシニアヨガのクラスを中心にパーソナルセッションなどを提供。また、一般社団法人BCY Institute Japanの卒業生として、がん治療による、女性特有の心身の悩みから生じる心身のバランスの崩れに寄り添い、ご自身を取り戻すための空間作りに専心。多くの信頼と共感を集めている。

一般社団法人BCY Institute Japan:「乳がんになってもヨガがしたい」という声に応えて、全国に乳がん経験者向けのヨガ教室を広めるため、乳がんヨガ講師の養成を行っている。(全国乳がんヨガ指導者一覧はこちらですhttps://breastcancer-yoga.org/class)(BCYWEBサイト https://breastcancer-yoga.org/

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