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「deleteC 2022 -HOPE-」取材レポート! がん治療研究を応援しつづける仕組みとは?

2022.03.01

2022年1月30日、渋谷区note placeにて、オンラインイベント「deleteC 2022 -HOPE-」が開催されました。

deleteCとは「みんなの力で、がんを治せる病気にすること」をミッションとするNPO法人。がん(Cancer)の頭文字であるCの文字を消したオリジナル商品の販売やサービスを提供。その収益の一部をがん研究者に寄付している団体です。

オンラインイベントでは、2021年度の寄付をお渡し先となるがん治療研究者の表彰とともに、研究者を“推す”新プロジェクト「推し研!」が発表され大いに盛り上がりました。今回は、With Mi編集部が見て、感じた「deleteC 2022 -HOPE-」の様子をレポートいたします!

deleteCとは?

deleteCは、単にがん研究への寄付や支援を募っているNPO法人ではありません。deleteCが大事にしているのは、ふだんの暮らしの中で誰もが参加できるアクションを通して、寄付・発信を行い、がん治療研究を応援すること。がん(Cancer)の頭文字である「C」を消すアクションを呼びかける「deleteC大作戦」、そしてdeleteC大作戦で集まった寄付を研究者に届けるイベント「HOPE」が、活動の2本柱となっています。「みんなの力で、がんを治せる病気に」を合言葉に、誰もが参加できるソーシャルアクションを呼びかけており、deleteCプロジェクトに参加している企業は100社を超えます。

deleteC 2022 -HOPE-のスローガン「わたしたちは、応援しつづける」

「deleteC -HOPE-」は、deleteCの寄付先となるがん研究や研究を応援する新たなアクションを発表するイベントです。

※画像:2020年開催時

3回目の開催となる今回のスローガンは「わたしたちは、応援しつづける」。この言葉は、2020年に1回目のHOPEを開催したときから、deleteCが変わらずに掲げている言葉です。「応援する」のではなく、「応援しつづける」。このことが、がんを治せる病気にする日をたぐりよせるのだと、代表理事の小国士朗さんはおっしゃいます。

イベント冒頭では、2021年9月に実施された「deleteC大作戦2021」の結果が発表されました。

deleteC大作戦とは「C.C.レモン」「Campusノート」「Calbeeかっぱえびせん」など、参加企業の商品の「C」を消したSNS投稿の数×100円が、がん治療研究に寄付されるというもの。deleteC大作戦には21企業・団体が参加し、メジャーリーガーの菊池雄星さんや歌手のAIさんなど、deleteC公式アンバサダーも応援しました。多くの方に拡散され、イベントが始まるやいなや「#deleteC大作戦」がTwitterのトレンド入り。投稿数は「20,857件」、寄付額は「6,881,080円」にもなりました。

deleteC 2022-HOPE- 1部 表彰式

第1部では、がん治療研究者の表彰式が執り行われました。

deleteCでは、毎年、3カ月にわたる公正な選考プロセスを経て、応援したい医師・研究者2名を選出。選出された研究者には前年に集まった寄付金を贈呈しており、代表理事の小国さんは「deleteCが最も大切にしているイベント」だといいます。

今年は、過去最高額となる総額「600万円」が贈られます。

受賞者1.近畿大学 川上尚人先生

1人目の受賞者は、近畿大学 医学部 腫瘍内科部門の川上尚人先生です。

対象となったがん治療研究は「MSI-H胃がんに対する1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブ併用療法第II相試験」。MSI-Hとは、遺伝子の修復機能が劣っているタイプのがんのこと。このタイプのがん患者は、全体の5~15%を占めるといわれています。現状は、MSI-Hなのか調べられることなく治療に進みますが、がんの特徴に応じた治療をやっていくことが将来の医療の姿だと川上先生は言います。MSI-H胃がんの最初の治療を、抗がん剤ではなく効果が期待される「免疫チェックポイント阻害剤」とするため、川上先生は全国の病院とともにMSI-H胃がん患者のスクリーニングテストを進めています。

川上先生の研究は、科学的根拠に基づく優れた臨床試験として、科学面・実行可能性・インパクトにおいて高く評価されました。

受賞者2.国立がん研究センター中央病院 石丸紗恵先生

2人目の受賞者は、国立がん研究センター中央病院 小児腫瘍科/臨床研究支援部門の石丸紗恵先生です。

対象となったがん治療研究は「小児がんに対する国際共同試験実施体制の構築〜ドラッグ・ラグ解消に向けて〜」。ドラッグ・ラグとは、海外では承認済みの薬が日本では未承認で使うことができない状況のことです。日本は欧米諸国と比較して、小児の臨床試験数が圧倒的に少ないという現状があります。石丸先生は、日本だけで臨床試験をするのではなく、諸外国と一緒に薬の開発をすることがドラッグ・ラグ解消への最短距離と考え、2020年にオランダに渡りました。

国際共同試験への参画体制を整備し、日本が常に国際共同試験に参加できる状況を作ることでドラッグ・ラグ解消を目指すという具体的な目的。そして着実な前進が高く評価され、今回の受賞となりました。

deleteC 2022-HOPE- 第2部 新アクション「推し研!」の発表

第2部では、がん治療研究をさらに応援するための新しいアクションが発表されました。その名も「推し研!」。

「アイドルを推すように、がん研究者を推したい」という想いからこの名が付けられたのだそうです。推し研!には、MICINはじめ数多くの企業が参加しています。

MICIN(マイシン)と共通している想い

数ある有名企業が名を連ねる中、医療ベンチャーMICIN(マイシン)もdeleteCのプロジェクトに協賛しています。

MICINは、国内有数の利用者数を誇るオンライン診療アプリ「curon」を手掛け、子会社ではがんの再発に備えるための「乳がん・子宮頸がん・子宮体がん再発保障保険」を開発。「1度病気になると保険に入りづらかった」というこれまでの状況を変え、がんをはじめとする様々な持病をもつ人が取り得る選択肢を広げています。

研究者を支えるdeleteC。そして、患者の術後の生活を支えるMICINは、それぞれが医療の進化を信じ、がんで苦しむ人を減らしたいという部分で想いが一致しているのです。

deleteC 推し研!クラウドファンディング

推しアクションの1つとして、イベント内では、deleteCが2名の研究者とタッグを組み、がん治療研究を応援するクラウドファンディングが紹介されました。

クラウドファンディング1.慶應義塾大学 大槻雄士先生

クラウドファンディングに挑戦する研究者の1人目は、慶應義塾大学 医学部 先端医科学研究所 特任教授 大槻 雄士先生です。

大槻先生が研究されているのは、「がん特異的代謝機構に基づく新規放射線治療併用増感剤の研究開発」。既存の薬を組み合わせることでがん細胞が生き残る逃げ道を徹底的に断ち、治療効果を最大にしながらも、患者の身体的負担を最小限に抑える、新たな治療研究を進めています。

クラウドファンディングの目標金額は「500万円」集まった資金は、薬剤が有効性を示す用量を見つけるための「薬剤安定性試験」や「薬物動態解析」に使われます。

大槻先生は、deleteCの創業理事で、2021年に他界された中島ナオさんの「がん治療研究は希望の種。がんがいつかなくなる病気なのであれば、その”いつか”を1日でも早く手繰り寄せたい」という言葉に強い感銘を受けたといいます。がん治療研究に期待し続けてくれたナオさんの気持ちに報いるため、今回、クラウドファンディングへの挑戦を決意されました。

クラウドファンディング2.名古屋市立大学 奥野友介先生

2人目は、名古屋市立大学 大学院医学研究科 ウイルス学分野 教授 奥野 友介先生です。

奥野先生の研究は、「網羅的遺伝子解析による小児がんの治療成績改善」。一部、遺伝性のものもある小児がんを治せる病気にするため、遺伝子解析という観点から「目の前の闘う子ども達に治療法を」との想いで研究を進めています。

クラウドファンディングの目標金額は、大槻先生と同じく「500万円」。子ども1人の遺伝子検査をするのにかかる費用は、30万円ほど。人数が集まればそれだけ費用がかかるため、少しでも多くの資金を集めたいと想いを語られました。

ご自身も、4人のお子さんを持つ父である奥野先生。お子さんの存在が研究のモチベーションの1つになっているとのことですが、病気でお子さんを失いかけたという過去をお持ちです。「子どもを失うというのは、親にとっては想像しがたい出来事。身にしみて体感した。お金が理由で救える命を諦めたくない。」と、応援を呼びかけています。

クラファンリターン

推し研クラウドファンディングでは、様々なリターンが用意されています。

著名なアスリートやアーティスト、企業とのコラボ商品も。どの商品も限定リターンということですので、ぜひチェックしてみてくださいね!

クラファンリターンのノートやタオルに印字されている「推し研!」のロゴには、deleteC公式アンバサダーの1人、メジャーリーガー菊池雄星さんによる書が使われています。

菊池雄星さんは、父親をがんで亡くした過去を持ちます。

菊池さんからは「自分にできることを少しずつ積み重ねていくことが、未来につながると思っています」とメッセージが届きました。

イベントレポート編集後記

deleteCの取り組みは「がん治療研究の発展」という壮大なテーマと私たちをつなぐ“架け橋”のような印象を受けました。寄付など、具体的な行動をカジュアルに起こせるようにしてくれる工夫が随所に感じられます。

イベント終盤に、代表理事の小国さんはこうおっしゃっていました。

「応援し続けることは僕達にもできる。自分達にできることを1つ1つ取り組んで、”がんを治せる病気にする日”をみんなで手繰り寄せたい」

「研究や研究者を支援する」というと、少し敷居が高いと感じられるかもしれません。しかし、SNS投稿や「C」の消えた商品の購入、クラウドファンディングなど、気軽にできることもたくさんあります。

1人の興味、想い、アクションが集まれば、やがて強大な力となります。がんが治せる病気になる日まで応援しつづけましょう!

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