乳がんとは?症状・罹患率・病期(ステージ)・治療法を改めてチェック

2022.04.26

乳がんは、主に女性が発症する可能性があるがんの一種です。乳がんといってもさまざまな種類があり、治療法や再発リスクが異なります。ここでは、乳がんの症状や罹患率、病期(ステージ)、治療法、再発リスクなどについて詳しくご紹介します。

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乳がんとは

乳がんは、乳腺組織にできるがんです。多くは乳頭へ繋がる乳管から発生しますが、乳汁を作る小葉から発生する場合もあります。乳がんの症状は次のとおりです。

・乳房のしこり

・乳房のただれ

・乳房のえくぼ

・乳房の形が非対称になる

・乳頭から分泌物が出る

なお、上記の症状が現れないケースもあるほか、これらの症状が現れたからといって乳がんだとは限りません。症状の有無に関係なく、定期検診を受けることが重要です。

乳がんの診断数・死亡数・5年相対生存率

9人に1人が乳がんになる時代といわれています。それでは、診断数や死亡数、5年相対生存率について詳しく見ていきましょう。

診断される数

国立研究開発法人国立がん研究センターが運営するがん情報サービスによると、2018年に乳がんと診断された人は、94,519人(男性661人、女性93,858人)でした。また、年齢階級別の罹患率としては25歳頃から増え始め、40~70代でピークを迎えます。

死亡数

2018年の死亡率は、10万人あたり71.6人です。パーセンテージに変換すると、約0.07%です。

5年相対生存率

5年相対生存率とは、5年後に生存している日本人の割合に対し、がんと診断された人の中で5年後に生存している人の割合を示したものです。100%に近いほどに治療で生命を救える可能性が高い、0%に近いほど治療で生命を救うのが難しいことを示します。

2009~2011年の調査における乳がんの5年相対生存率は、92.3 %(女性)です。

乳がんの病期(ステージ)

乳がんは、次のように0期~IV期に分類されます。

出典元ːがん情報サービス「乳がん 治療

乳がんの浸潤や大きさに関わるのは0期~IIIC期までで、IV期は他の臓器に転移している場合に診断されます。

乳がんの治療法

乳がんの主な治療法は、手術、放射線治療、薬物療法です。これらが基本的な治療法として、確かなエビデンスを元に行われています。それぞれの治療法についてご紹介します。

手術

乳がんの手術には、乳房部分切除術(乳房温存手術)と乳房全切除術があります。乳房部分切除術は、腫瘍から1~2cm離れたところから乳房の一部を切除する手術です。術後は、放射線照射によって乳がんの再発リスクを抑えます。適用の可否には、がんの大きさや位置、乳房の大きさなどが関係しているため、主治医によく確認し、話し合って決めることが大切です。

乳房全切除術は、乳房を全て取り除く手術です。がんが広範囲、複数のがんが離れた場所に多発しているケースに適用します。

放射線治療

放射線治療とは、がんに放射線を照射することで、がんを小さくしたり消滅させたりする治療法です。乳房部分切除術の後に、残った乳房に照射します。また、乳房全切除術の後にも、手術したところと鎖骨の上の部分に照射する場合があります。

照射の頻度や回数には個人差がありますが、1日1回の照射を週5回の頻度で約4~6週間続けることが一般的です。

薬物療法

乳がんの薬物療法に使用する薬は、ホルモン療法薬、分子標的薬、細胞障害性抗がん薬などがあり、がんの性質や大きさ、身体の状態などに応じて使い分けたり組み合わせたりします。

乳がんの病期(ステージ)別の治療法

乳がんの病期ごとの治療法についてご紹介します。ただし、ここで紹介する方法は一般的なものであり、治療計画は個々で異なります。

0期

乳房部分切除術(乳房温存手術)か乳房全切除術でがんを切除します。

I~IIIA期

乳房部分切除術か乳房全切除術を行います。がんの大きさ次第では、手術の前に薬物療法を行い、がんを小さくしてから手術をします。リンパ節転移がある場合は、リンパ節を切除する「リンパ節郭清」を行います。がんの状態次第では、術後にも薬物療法の実施が必要です。

IIIB~IV期

がんを小さくしたり消滅させたりすることを目的に薬物療法を行います。状態次第では、手術や放射線治療を行う場合があります。

乳がんの再発リスク

乳がんの再発リスクは、ステージやサブタイプ、遺伝性かどうかなどで異なります。(なお、術後にステージが変化する場合があるため、主治医に再度確認を取りましょう。)リンパ節転移がある場合は、そうではない場合と比べて再発リスクが高まります。また、再発リスクを高める要因としてさまざまな意見や議論が交わされていますが、現時点で確実なリスク要因とされているのは肥満やアルコールなどです。

乳がんの再発は術後2~3年、あるいは5年前後で起きることが多いとされていますが、10年や20年後に再発する場合もあります。再発した乳がんは、最初の乳がんができ始めた頃に別の臓器に転移し、治療による影響から生き延びることで次第に大きくなり、数年から数十年後に目に見える大きさになったと考えられます。

まとめ

乳がんは、他のがんと比べて若い年齢で発症しやすいため、経済的な備えが十分でない時期に罹患してしまうケースも少なくありません。

また、一度がんになってしまうと、たとえステージが低くても民間保険への加入条件が厳しくなってしまい、再発への備えとして入れる保険商品はとても限られてしまいます。

「まさか自分が…」と、ならないように定期検診を欠かさないようにしましょう。

■医療監修

西 智弘 医師/2005年北海道大学卒。
室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修し、2012年から川崎市立井田病院にて腫瘍内科・緩和ケアに従事。また2017年に一般社団法人プラスケアを立ち上げ、暮らしの保健室や社会的処方研究所の運営に携わっている。
日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医。

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